崩壊 / 塩田 武士

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★★★<5段階中>

作品紹介(Amazonより)--------------------------
雨の夜、市議会議長が殺害された。
波山署の本宮は県警捜査一課の若手・平原優子と組み捜査にあたるが、意外な容疑者が浮かび上がる。
その影を追ううち、本宮たちは一人の青年の心の闇に出会う―。
八〇年代のバブル経済に呑み込まれた男女と、それを見つめた彼らの子どもたち。
ある家族の崩壊と殺人事件を通して、時代を生きる人間を鋭く描き出す、傑作刑事小説。
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骨太の刑事ものサスペンス作品。
くたびれた中年刑事と若いけど愛想のない女刑事。
それぞれが傷を抱えているからこそ、少しずつバディとしての信頼感が深まっていく過程が好きだった。
主人公たちが感じる虚しさがせつなかった。
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# by wakabadana | 2018-02-22 23:06 | 塩田武士 | Trackback | Comments(0)

剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎 / 高殿 円

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★★★★★<5段階中>

作品紹介(Amazonより)--------------------------
戦国の世、井伊家を背負って立った女がいた。

徳川四天王・井伊直政の養母、直虎。
彼女は先を視る不思議な力を持っていた。
戦国の世に領主となった女の熾烈な一生を描いた渾身作。
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大河ドラマ『おんな城主 直虎』の脚本家・森下さんは下調べでおそらくこの作品を読んだと思うけど、参考にした部分は多いんじゃないかと感じました。
ストーリー展開やエピソードの切り取り方や井伊家と小野政次の関係など、肉付けの部分は大河ドラマとは大きく違うんだけど、根底の部分ではこのふたつの作品はもの凄く似ていると思います。
井伊谷での出来事を別のアングルから見ているようで非常に面白かったです。
政次は悪者風に描かれていますが、やはり物悲しさをまとっていて最期はせつなかったです。
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# by wakabadana | 2018-02-14 23:16 | 高殿 円 | Trackback | Comments(0)

罪の声 / 塩田 武士

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★★★★<5段階評価>

作品紹介(Amazonより)--------------------------
多くの謎を残したまま未解決となった「グリコ・森永事件」の第一幕は社長の誘拐から始まった。
会社施設への放火、菓子に毒物を混入し企業を脅迫。
身代金取引の電話では子供の声が使われ「かい人21面相」などと名乗った挑戦状が送りつけられるという陰湿な事件だった。
『罪の声』はこの事件をモデルにしたフィクションである。
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父親の遺品から事件に関係すると思われる品を見つけてしまう男性と、特集記事のために事件のことを調べる新聞記者。
それぞれが独自に調査を始めた二人が違う方向からじわじわと事件の真相に吸い寄せられていく様子に、読んでいるこちらもじわじわと静かに興奮した。

犯人は捕まらずに時効になった事件なのでほぼフィクションの物語なのに、まるでドキュメンタリー作品を読んでいるようだった。
作中の事件の概要や印象的だった脅迫状の文面などは実際とほぼ同じなのでものすごくリアリティがある。
それだけではなく、この事件に翻弄された人々の人生もやけに生々しさを感じた。
読み応えのある肉厚のサスペンス作品。
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# by wakabadana | 2018-02-04 22:49 | 塩田武士 | Trackback | Comments(0)

表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬 / 若林 正恭

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★★★★<5段階評価>

作品紹介(Amazonより)--------------------------
前作『社会人大学人見知り学部卒業見込』から約4年ぶり、新作の舞台はキューバ!
航空券予約サイトで見つけた、たった1席の空席。
何者かに背中を押されたかのように2016年夏、ひとりキューバへと旅立った。
慣れない葉巻をくわえ、芸人としてカストロの演説に想いを馳せる。
キューバはよかった。
そんな旅エッセイでは終わらない。
若林節を堪能できる新作オール書き下ろし!
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世の中を斜めから見てしまう若林くんのその斜度に、苦しくなるほど共感してしまった。
私自身、世界の仕組みや善意や悪意の存在や自分の非力さなどを知れば知るほど自己肯定感は低くなって、自分でも驚くくらい卑屈な心が顔を出すことがあるので、若林くんの綴る言葉がひしひしと胸に響いた。

キューバを旅した紀行文でありながら、ものすごく内省的な作品。
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# by wakabadana | 2018-01-17 00:00 | 若林 正恭 | Trackback | Comments(0)

騙し絵の牙 / 塩田 武士

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★★★<5段階評価>


作品紹介(Amazonより)--------------------------
大手出版社で雑誌編集長を務める速水。
誰もが彼の言動に惹かれてしまう魅力的な男だ。
ある夜、上司から廃刊を匂わされたことをきっかけに、彼の異常なほどの“執念”が浮かび上がってきて…。
斜陽の一途を辿る出版界で牙を剥いた男が、業界全体にメスを入れる!
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大泉洋くんをモデルに主人公を「あてがき」したというので話題になったけど、読み進めるうちに洋くんよりもっと狡猾なイメージの人が私は頭に浮かんだ。
とはいえ、もし映像化されるならぜひ洋くんで観たい。

出版業界の裏側を描いたサスペンス作品で、最後の最後まで気が抜けない。
雑誌などの紙媒体がウェブマガジンなどに押されて廃刊になっている現状など、業界の苦しさに塩田さん自身も苦しんでいるんだろうなというのをひしひしと感じた。
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# by wakabadana | 2018-01-12 22:54 | 塩田武士 | Trackback | Comments(0)

夏と花火と私の死体 / 乙一

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★★★<5段階評価>

作品紹介(Amazonより)--------------------------
九歳の夏休み、私は殺されてしまったのです……。
少女の死体をめぐる兄妹の暗黒の冒険。
斬新な語り口でホラー界を驚愕させた、天才少年・乙一のデビュー作、ついに文庫化。
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物語の展開そのものには特別に惹きつけられたわけではないけど、確かに物語のアングルが斬新。
読み手(私)の感情移入先が、読み進めるうちに変わっていく感覚が新鮮だった。
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# by wakabadana | 2018-01-09 19:49 | 乙一 | Trackback | Comments(0)

主君 井伊の赤鬼・直政伝 / 高殿 円

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★★★★★<5段階評価>

作品紹介(Amazonより)--------------------------
おまえの“主君”は誰だ。
人はなんのために人に仕えるのか。
家康に寵愛され、「赤鬼」と呼ばれた男の生涯―
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大河ドラマ・直虎ファンにぜひ読んでもらいたい一冊を見つけちゃいました。
直虎ロスの理由は、もちろんドラマが終わってしまったからではあるのですが、やっと元服した直政のこれからがもっと見たかったっていうのもあると思うのです。
この作品は、直政を近くでずっと見てきた家康の家臣・木俣守勝の目線で描かれた直政の生涯の物語です。
しかも、菅田将暉くんが演じた大河ドラマの直政にとても近いキャラクターで描かれているので、大河ドラマの続きを観ているような錯覚に陥ります。

直政の物語としても読み応えがあるのですが、家康の家臣・木俣守勝の物語としても面白いです。
私は戦国の忠実な家臣に、その忠義にグッときます。
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# by wakabadana | 2018-01-04 21:38 | 高殿 円 | Trackback | Comments(0)

陽気なギャングが地球を回す / 伊坂 幸太郎

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★★★<5段階評価>

作品紹介(Amazonより)--------------------------
嘘を見抜く名人、天才スリ、演説の達人、精確な体内時計を持つ女。
この四人の天才たちは百発百中の銀行強盗だった……はずが、思わぬ誤算が。
せっかくの「売上」を、逃走中に、あろうことか同じく逃走中の現金輸送車襲撃犯に横取りされたのだ!
奪還に動くや、仲間の息子に不穏な影が迫り、そして死体も出現。
映画化で話題のハイテンポな都会派サスペンス!
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旅のお供に陽気な一冊をと思い持って行ったらピッタリの作品だった。
コミカルだけどちょっとカッコよくて、サスペンスありアクションあり。
気軽に読める痛快な一冊。
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# by wakabadana | 2017-12-27 22:29 | 伊坂幸太郎 | Trackback | Comments(0)

宗麟の海 / 安部 龍太郎

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★★★<5段階評価>

作品紹介(Amazonより)--------------------------
大航海時代の洗礼を受けつつあった時代に、信長より早く海外貿易を行った先駆者がいた。
豊後国の領主を継いだ大友宗麟である。
交易により鉄砲の硝石と鉛を手に入れ、強大な武力で豊前・筑前・筑後・肥後・肥前へと勢力を拡大。
理想の王国を作ろうと夢にむかって駆け抜けた男の生涯を描く。
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我が豊後が生んだ大大名・大友宗麟。
戦国時代のほとんどの武将がそうであるように、大友宗麟も戦国の波の中で波乱万丈な人生を送ります。
地元の大名でありながらその生涯についてはほとんど知らなかったので、ものすごく勉強になったし、面白く読みました。

とても聡明で好奇心旺盛で、どんな考え方や文化でも一旦受け入れる懐の深さがあったからこそ南蛮貿易などを成功させ、ますます大友家を繁栄させます。
しかし、一方で、当主である彼がキリスト教に傾倒していったことで大友家のまとまりがなくなっていくのは皮肉なものです。
もし、あれほど熱心なキリスト教信者にならなければ、九州の勢力図は変わっていたかもしれません。

歴史は面白いです。
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# by wakabadana | 2017-12-26 23:12 | 安部 龍太郎 | Trackback | Comments(0)

バッタを倒しにアフリカへ / 前野ウルド浩太郎

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★★★<5段階評価>

作品紹介(Amazonより)--------------------------
バッタ被害を食い止めるため、
バッタ博士は単身、モーリタニアへと旅立った。
それが、修羅への道とも知らずに……。
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バッタが好きな少年がバッタの研究家になる。
なんてロマン溢れるお話なんでしょう。
だけどバッタの研究というマニアックなことに予算はなかなかつかなくて…。

専門家がお金がなくて専門分野の研究ができないという、冷静に考えると深刻な問題を面白おかしく乗り越えて、自分の道を突き進むさまがカッコイイ。
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# by wakabadana | 2017-12-26 22:43 | 前野ウルド浩太郎 | Trackback | Comments(0)